【MUMBLE企画:出演者インタビュー④】『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』
ロームシアター京都 × 京都芸術センター
U35創造⽀援プログラム“KIPPU”
『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』出演者インタビュー第4弾
『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』開幕いたしました。出演者インタビュー最終回となる今回は、劇団不労社の公演に何度もご出演いただいている森岡拓磨(冷凍うさぎ)さんと劇団員の荷⾞ケンシロウさん、むらたちあきさん、永淵⼤河さんによる対談をお届けします。森岡さんからみた不労社や、劇団員になること、作品におけるクサさなど、盛りだくさんです!
・森岡さんと劇団不労社の出会い
ーー森岡さんと劇団不労社の出会いはどこになるのでしょうか。
荷車:1番最初に出てもらったのは『忘れちまった生き物が、』からですかね。それ以降、本公演にはほとんど、集団暴力シリーズには毎回出てもらってますよね。
永淵:僕も実は不労社に初めて出たのは、森岡さんと同じ『忘れちまった生き物が、』なので、本公演で全部出てるから、結構同期かもしれないです。
荷車:仲良くなったのは最近ですよね。『STATION TO STATION~あなたの駅のものがたり~』から森岡さんと距離が縮まったと感じてます。すごく大変だったから、森岡さんと同じ戦場をくぐり抜けた感じがして。森岡さんは脚本をとても読み込んでいて、西田や劇団不労社に対する理解があるところを僕はリスペクトしてます。劇団員としても俳優としても『やべえ、負けらんねえな』とちょっと危険視してますね。
・森岡さんからみた不労社
--森岡さんからみた不労社の魅力を教えてください,
森岡:西田さんは割と同じことを繰り返してると言われることもあるだろうけど、僕にとってはそうじゃなくて。
一旦、極限までいったのが『BLOW & JOB』かなと。あれは集団暴力を、笑って良いのか、笑ったらダメなのかギリギリのところで、コメディとして、ホラーとして、 ブラックジョークとして、1番やりきってた。そして、その先には絶望しかなかった。
でも、『忘れちまった生き物が、』とか『畜生たちの楽園』はそうじゃなかった。ひどい話をした上で、ひどい話の先にやりたいことがあったり、言いたいことがあったりする。世の中のひどい現実を、相対化したいから、多分コメディにしてるんだと思う。そのひどいことの先に行きたくて、もがいてるんだなっていう感じは、そばで見てて楽しい。
今回は、それをもっと強くやってる感じがして、ひどい話の先にちゃんと行こうって 意思を感じるから、僕もそこに行けたらいいなと思います。
劇団員:行きましょう。
森岡:あとは、西田さん売れてるし、西田さんについていったら好きな芝居出れるじゃんっていう打算が。もしかしたら、西田さんからもそのうちね、なんか手伝ってくださいよとか言ってくれたらね、もっとなんか楽しい他の仕事もできるかもしれないしねっていう。
荷車:それは、劇団員にしろということですか(笑)
森岡:でも、劇団員にはしないって言われました。ね、西田さん。
西田:いや、難しいんですけど、めんどくさいことが増えますよという。
森岡:そう、だから1番美味しいところにいさせてもらってるんですよね。
荷車:大河さんは、入団遅めだったじゃないですか。どうでしたか。
永淵:僕は、内にいつつ、距離は取っていたというか、俯瞰しておいた方が結果的にお互いリスクマネジメントにはなると思うところがあって。でも、劇団員になって、今どんどん引きずり込まれてる感じがありますね。
脚本とか制作の中に、より中心に食い込めるようになったのは、劇団員になって愉しいところだなと思っていて。こうしたら面白いんじゃないかみたいなところに共同脚本等で入り込めるようになってきていて、クリエイションの欲望が消化されて楽しいです。
・公演にたくさん出ているアドバンテージと今回の見どころ
アドバンテージについて語る森岡さん
森岡:不労社にいっぱい出演してるってどのくらいアドバンテージになるんですかね。アドバンテージがあるかと言われると、あんまりよく分からなくて。決定的な間違いを引く比率は下がると思います。西田さんの正解の範囲が何となくわかるのかも。でも、正解の範囲の中で、ドンピシャで正解を弾ける訳ではない。
永淵:その正解の範囲も、西田の中で確定し切れている訳ではなくて、やりながら探ることになると思っています。でも、何となく範囲を共有している強みは間違いなくあって、この手あるよねみたいな共有言語があるのは、大きい気がしてます。そこから選択肢をトライアンドエラーする形で。
森岡:確かに、でも縮小再生産にならないかという不安はある。
永淵:あくまでテクニックであって、演技の素の部分はみんな毎回悩んでる気がします。ただ、明らかに不労社では避けがちな演技パターンはあって。1個わかりやすいのは、あざとさかなと。
森岡:今回は、結構スナップショット的というか、劇的なことをみんながやっていて、クサいようなことをクサくなくやる方法は、演劇の幅としてきっといくらでもあるんですよ。でも、あえて、前半である程度のクサみを乗り越えられるとこまで持っていって、最後に劇的なことをドンってやるときに、もうクサいかクサくないかとか飛躍できるのかなと。
永淵:それがクウォーキーだと思ってます。漫画的なことをただ素直にやってるんじゃなくて、奇妙な空間で浮遊させるというか。
森岡:今まで僕らは、劇的であることを避け続けてきたんですけど、今回やる側としては、いくらでもクサくない言い方に変換できるところを、あえて浮かせるとか、変に劇的であるという遊びができるんじゃないかと。
むらた:そうかもしれないです。悪態の再演バージョンから、最後に音楽が流れて3人が絵画を見てるみたいな、エモーショナルな要素が入ってきていたのかもしれないですね。
永淵:FLOWシリーズを経てって感じはあるよね。
森岡:『忘れちまった生き物が、』のラストシーンを見たときに、ちゃんと落とすんだと思って。ちゃんと落とすのって恥ずかしいけど、偉いことだと思います。でも、だんだん落とせなくなった感じが、僕はしてて。今回、ちゃんと落としに行きたいんだっていうのは、 すごく誠実なことですよね。
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